怒りを上手くコントロールする! アンガーマネジメントの基礎

クレーム対応でお客様が激しくお怒りになったとき、あなたなら何を思い、考え、行動しますか?

ボクはどちらかと言えば臆してしまうタイプですが、中には「は?ふざけんな!」と怒り返したくなる人もいるかと思います。

実際にお客様へ対して怒り返す人はごく少数だと思いますが、それでもイライラはしちゃいますよね。我慢することでストレスも溜まります。

今回はそんな方へ向けて、怒りを上手くコントロールする心理技術「アンガーマネジメント」の基礎をご紹介します。

アンガーマネジメントとは、怒りをコントロールするものです。
つまりイライラを”我慢する必要”がないので、実践すればストレスの軽減が期待できます。要は、ストレスの予防です。

クレーム対応はストレスを溜めてしまうことが多いですし、発散することは非常に大切。
ですが、予防することも発散と同じくらい重要なので、今まで怒りをコントロールしてこなかった人は、アンガーマネジメントの知識を身に付けて、ぜひ実践してみてください。

アンガーマネジメントの予備知識

怒り自体は問題じゃない

怒りをコントロールすると書きましたけれど、怒り自体を悪だとは考えないのがアンガーマネジメントの考え方です。
なので、怒りの感情を制御できれば怒っても良いのです。

「え? どういうこと?」

殆どの方がこう思ったかもしれませんね。
要は「ついカッとなって怒ってしまった」というように、感情を制御できずに怒るのはNGですが、「よし!あとで怒るか!」と準備してから怒るのは問題ないのです。

といっても、クレーム対応の場面でお客様へ向かって怒るのは余程のことがない限りNGです。ただクレーム対応を任されている責任者の方は、多くの部下をおもちかと存じますので、知識として知っておいてくだされば、応用できる場面はあるはずです。

後悔しないことが大切

「ついカッとなってしまって…」の何が悪いのか? これは、後悔する可能性があるからNGなのです。

感情を上手くコントール出来なければお客様に向かって怒ってしまうかもしれません。ご自身で納得した上での行動であれば仕方ありませんが、この場合大抵は後悔しますよね。

後悔は必ずしも悪いことだとは言いません。次に活かせるのなら良いことでしょう。

しかし、コントロールが出来ない後悔は連鎖の始まり。この場合において言うなら悪い後悔です。だから直さなければいけないのです。

怒りのメカニズムを理解しよう!

怒りは二次感情である!

これを聞いたことある方は多いかもしれませんね。そうです、怒りは二次感情と言われています。
つまり、一つ前に何らかの感情が先に生まれて、そこから引き起こされたのが怒りという感情なのです。

クレーム対応の場面で考えてみましょうか。

[aside type=“boader”]お客様の洋服に飲み物をこぼしてしまい、激しくお怒りになった。[/aside]

この場合、お客様には、大切な洋服を汚された「悲しみ」や、汚れた服を着ていると他の人に変な目で見られるのではないかという「不安」や、他の人に見られるのが「嫌だ」という感情が先に発生するわけです。

怒りというのはこれらの感情によって引き起こされる感情で、これらの感情なしに怒りという感情が生まれることはありません。

怒りには目的がある!

では、どうして「ついカッとなってしまって…」ということが起こるのかを解説していきましょう。

例えば、お客様の洋服に飲み物をこぼしてしまった場合、怒るお客様と怒らないお客様がいらっしゃいます。

双方に共通するのは「気持ちを理解して欲しい」と「この状況をなんとかしてほしい」です。これはクレームの原点とも言えます。

そして更には、「店員は気持ちを理解してくれるだろう。布巾も持ってくるだろうし、クリーニングの提案もしてくるだろう。」と予期しています。

であれば、怒るお客様と怒らないお客様の違いは何なのか。それは”何も対応してこなかった場合”のことです。

気持ちを理解してくれない、布巾も持ってきてくれない、クリーニングの提案もしてくれない。そんな場合がもしも万が一あったら…。

怒らないお客様は、丁寧に言葉で説明すれば良いと考えています。
説明しても分かってくれない場合は怒ることを”選ぶ”かもしれません。ただ、問題が発生してすぐの状態で声を荒げる必要は無いと考えているのです。

一方で怒るお客様は、”何も対応してこなかった場合”に言葉で丁寧に説明するのが面倒なのです。
もし店員がヘラヘラするようなことがあれば更に気分も悪くなる。だからその前に大声を出して叱責し、屈服させておけば相手を思い通りに動かせる。そういう目的があって、怒るのです。

しかしこれが無意識的に行われるからこそ、「ついカッとなってしまって…」ということが起こるのです。先述していますが、倫理的なことは別として納得できるのなら本人にとっては良いことです。ただ、多くの場合は後悔を生みます。さらに無意識的だから次に活かすことも出来ない”悪い後悔”です。

怒りをコントロールするには?

お客様視点の例え話ばかりになってしまいましたね…。クレーム対応は嫌味を言われたり、怒られたから怒り返したくなるという、少し複雑な話になるので、まずはお客様視点でメカニズムを説明しました。ただ、基本的な違いはありません。

怒り返さない人は、怒り返して解決するものではないと考えている。それどころか、自体をより悪化させることを知っているからこそ、対話を重要視しているのです。

怒り返す人は、まさか怒り返してくるとは思っていないだろうお客様の予想を裏切ることで、恐怖を与えて黙らせようとしたのです。自分が不快になったこの状況をなんとかしたい。そんな時に一番手軽なのが対話よりも屈服であると考えたわけですね。

 

では、ここからは怒りをコントロールする考え方についてご紹介していきます。

復讐を想定しておく

お客様が怒ってきたのでカッとなって怒り返した。するとお客様は恐れて、その場は収まるかもしれません。

ただ、屈服による収束は復讐を生む可能性があることを覚えておいてください。

本部への通報やネットへの口コミ投稿といった正当な範囲内の復讐や、実は内容が録音されていてSNSにアップされるというグレーゾーンもありますし、最悪の場合は帰宅時に危害を加えられたりすることを想定しておかなくてはいけません。

怒り返しとは権力争いの始まりです。それには最終的に勝ち負けがあるのです。相手が黙ったからといって、そこで終わることはまあ珍しく、大抵の場合、互いに不利益を生み続けます。

なので、覚えて頂きたいことは3つ。

  1. 相手が怒っているときに怒り返すようなことはしない。怒るのはどちらか一方のみ。
  2. こっちが怒っているときに相手が怒り返してきたら、身を引く。
  3. 万が一カッとなって怒ってしまっても、気付いた段階で身を引く。

気付いた段階で身を引きましょう。少しづつでも良いです。これが習慣化できれば、突発的な怒りは必ず減ります。

身を引く目的は”復讐を防ぐこと”ですから、習慣化するということは、復讐の可能性を意識できるようになるということです。
それはつまり、身の危険に対して敏感になるということで、突発的な怒りに対して免疫が出来るわけです。

許容範囲を理解し、広げる

怒りは思い通りにならない時に発生します。

クレーム対応で怒られた場面を想定するならば、「お客様であっても、もっと丁寧に申し出るべき」という、◯◯べき!のような、自分の信念通りにならない時に怒りが発生するわけです。

[aside]怒られる→お客様であっても、もっと丁寧に申し出るべき→これ以上怒られるのは嫌だ→怒り返す[/aside]

ネガティブな感情を極力生み出さないためには、許容範囲を上げていくことが必要不可欠です。そのためには今の許容範囲も具体的に知る必要があります。

「お客様であっても、もっと丁寧に申し出るべき」の、丁寧とは一体何なんでしょう。

大声が丁寧じゃないのでしょうか? 敬語を使っていないのが問題なのでしょうか? 言葉遣いは悪くても声が小さければ許せるのでしょうか?
色々あると思います。

例えば声の大きさであるならば、五段階に分けたとして今は二段目までなら許せる。だとすれば、三段目を許せるように予め決めておくのです。

三段目が許せないのに四段目が許せるわけがないので、まずはハードルを小さくして許容範囲を少しづつ上げていってください。そのためにはまず、具体的に三段目がどれくらいの声なのかを決めておくことです。

時には聞き流す

もちろん、クレーム対応で「聞き流す」というのは極力やるべきではありません。ただ例外として挙げるのならば”人格攻撃”があったときでしょう。

人格攻撃をまともに受けるのは、精神的に非常に悪影響を及ぼすので、これはつまり「いつの間にかキレていた」につながる原因とも言えます。なので、場合によっては聞き流しても良いということを覚えておいて頂き、実践していただきたいと思います。

お互いが対等な立場なので、謙虚な姿勢がない相手に対して謙虚な姿勢で返す必要は無いのです。ただこれは必要が無いと言うだけで、”やられたからやり返す”という考えとは全く別物なので、ご注意ください。

さいごに

怒りのコントロールは難しいですが、少しずつ積み重ねていくことで絶対にコントロールは可能になります。

それはやがてストレスの軽減にも繋がり、物事を冷静に捉えられるようになる。

それは人生にとって好循環を与えるものなので、ぜひとも実践していただいて、怒る時は後悔しないようにしていきましょう!