もう迷わずに臆することなく対応できる!円満解決を目指す究極のクレーム対応術

クレームは出すのも出されるのも、当たり前の時代になりました。

お客様はお金を支払っているのだから、クレームを出されるのは当然と言えば当然のことかもしれません。

しかしながら、もはやクレームという言葉で片付けられない「悪質クレーム」も増えてきています。クレームの目的は、「解決・改善」ですが、悪質クレームの目的は「屈服・金銭要求」なので、悪質「クレーム」という名前が付いていても通常のクレームとは別物なのです。

こうした背景もあり、適切なクレーム対応の方法を身に着けていないと、変に一人で責任を背負ってしまい、疲弊し、臆してしまう恐れがあります。そうすると、解決できるクレームも解決できなくなってしまいます。

また、あまりにもクレームというものが世の中にあふれるようになった今、一次対応者がパートやアルバイト、入社一年目の新人といったことも珍しくありません。適切な研修など受けないまま、いきなり対応を任せられるケースもあります。

本記事では、そのような方々に向けて少しでも参考になればと思い、まずは一番基本的なクレーム対応であるCS対応の流れと心構えについて執筆しました。少しでも参考になれば幸いです。

クレーム対応の心構え

クレーム対応を行うにあたって、理解していただきたいことです。

1.怖くて当たり前だと理解しておく

「クレームはありがたいものだから、怖がっちゃいけない!」

真面目な人ほど、クレームを怖がっちゃいけないものだと考えがちです。社内マニュアルにもそのように書かれているものもあります。

ただ、そもそも人間は言い返しづらい立場にいると恐怖を感じてしまうものです。

親しい友人や兄弟であれば、口喧嘩になってもバッチリと言い返せちゃいますが、相手がお客様なら、そうはいきませんよね。

こちらの対応が悪かったためにクレームを生んでいるのに、思ったことをそのまま口にしてしまうと、

  • 「言い訳だ!」
  • 「上司を出せ!」
  • 「ネットに動画をばら撒くぞ!」

このように、事態が悪化することが容易に予測できます。

収束できるものも収束できなくなってしまうので、思ったことをそのまま口にするのは絶対にNGと言うのは言わなくてもお分かりでしょう。お客様との立場は対等なので、言い返してはいけないということではありませんが、言い訳に思われないように伝えるのは極めて難しいので、親しい友人に言い返すように出来ないという点では言い返しづらい立場です。このような状況に置かれていれば、クレームを怖いと思うのは当然のこと。「怖がっちゃ駄目だ…」と思うよりも、
「怖くて当たり前なんだ!」と理解しておくことでクレーム対応時の焦りを軽減できます。

2.観察をする

クレーム対応が苦手だと思っている方や、あがり症の方に実践して頂きたいことが「相手の観察」です。

突然ですが、学生時代に自己紹介をしたこと、ありますよね?よく思い出してください。

他の人が自己紹介しているときは絶対あがりませんでしたよね。
でも、自分の順番が回ってきた途端、あがってしまった経験はなかったでしょうか?たとえば私がそうでした。

どうして自分の順番になった途端にあがってしまうのかというと、急に「見られてしまう」からです。

見られてしまうと、

  • 「失敗したくない」
  • 「恥を掻きたくない」
  • 「良いように見られたい」

といったことを一気に考えてしまいます。

そんな状態に陥ってしまうと「本当は何を考えればよいのか?」ということが分からなくなります。

では、そんな状態にならないためにどうすればよいのか?簡単です。相手を観察するのです。

そもそも見られている状態というのは、自分に意識が向いている状態のこと。「失敗したくない」も「恥を掻きたくない」も「良いように見られたい」も、全部自分のことですよね。

自分ではなく、相手へ意識を向ければ「どうすれば喜んでもらえるのか」ということを考えられるようになります。

クレーム対応における場面で言うなら、お客様に意識を向けて

  • 「何に対して怒っているのか」
  • 「何をしてほしいのか」

といったことを考えるのです。これは、お客さまのお話をしっかり聴いていないと出来ません。

相手へ意識を向けるには、先述の通り、相手を観察するのが一番です。

お客様が何を考えているのか。ひたすらこれだけを考え続けてください。要は、自分のことを考える隙を無くすのです。

あがり症については以前記事にしたのでこちらもどうぞ。

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では、具体的な観察ポイントをご紹介します。

2-1.目のあたりを見る

お客様のお話を聴く際、鼻を見るのが良いとされています。

目を見つめると、睨んでいるという印象を与えかねません。

クレーム対応時にそのような印象を与えてしまうのは非常に致命的。なので、目より少し下にある「鼻」を見るのです。

2-2.相手の目的を考える

お客様の目的は状況により異なります。

ただ謝ってほしいだけかもしれませんし、賠償を支払ってほしいと考えているお客様、気持ちを理解してほしいと思っているお客様など、目的はさまざまです。

お客様の目的を汲み取って、要望に応えることが出来るかどうかが解決の鍵。

目的を汲み取るためには、お客様の声色や表情をしっかり観察していなければ出来ないのです。

3.綺麗じゃなくてもOK

謝罪は綺麗じゃないとダメだ!と、思い込んでいる方も多いようですが、実際はそんなことありません!

もちろん綺麗に越したことはないですが、綺麗すぎる謝罪も時に印象を悪くしてしまう場合があります。

アナウンサーさながらの滑舌で「この度は大変申し訳ございませんでした。以後気をつけてまいります」と、言われてもなんだかテンプレートを言われている気がして、気持ちがこもっているようには感じませんよね。謝罪に綺麗さだけを求めるのなら、予め録音した音声をロボットに喋らせるだけで良いですし。

クレーム対応や謝罪は、コミュニケーションのひとつ。ありのままで話してください。

 

「ほんとにそうですよねっ…。大変、申し訳ございませんでしたっ…!」

あえて文字で表すなら、こんな感じ。拙い謝罪でも気持ちが重要です。

綺麗じゃないとダメだ!という考えは捨てちゃいましょう!

4.出来ることを理解する

お客様へどこまでの対応をするのか。これは会社によって違います。ですが、基本的に出来ることは3つ。

  1. 謝罪
  2. 改善のお約束
  3. 損害賠償

細かいルールは会社のマニュアル優先しますが、これ以上のこと(割引など)をやれと言われても基本的にお受けしません。

こういったことは社会通念に基づいたことであり、例外を作るのはNGです。

  • 「あの会社では割引してくれたよ」
  • 「あの店舗では無料にしてくれたよ」
  • 「他のお客さんには無料にしたくせに俺は無料にできないの?」

といったお申し出が来ることは容易に想像できますよね。

社会全体でやっていないような対応をすると他の会社への風当たりが強くなったり、自社でも今後同じ対応を求められることになります。

今後も同様の対応が出来ないのであれば、丁寧にお断りしましょう。

5.録音・録画の想定をしておく

電話であれ、自社の店舗内での出来事であれ、録音、録画されていることを常に想定しておいてください。

今はスマートフォンで容易に録音・録画が可能ですし、YouTubeやTwitter、その他SNSなど、インターネット上へのアップロードも容易です。相手が”誠意を感じない”と思った時点でアップロードされるリスクがグッと高まります。

対応自体は通常時のクレーム対応と特別変える必要はありませんが、逆に言えば常日頃からいい加減な応対をしないことを心がけておいてください。

普段通りの誠意ある対応を!

インターネット上にアップロードされた場合は、大抵の場合賛否が巻き起こります。当然ご批判もありますが、「この対応を評価する」というお声も意外と頂けるものです。もちろん、誠意ある対応をした場合に限りますが、いつ録音・録画されているか分からないので、常に誠意ある対応を心がけてください。

※録音されていない場合はいい加減な対応をしても良いという意味では一切ありません。それは断じて許されない行為です。良識あるお申し出には、誰からであっても誠意ある対応を心掛けるべきです。

6.自分を大切に!

本記事ではCS対応の基本を解説にしているので「お客様を大切にしよう」というスタンスで話を進めていきます。極端に言うならば究極の理想です。

ただ、一番大切にしてほしいのはご自身だと考えています。時に「お客様本位であれ!」といったニュアンスの表現を用いていますが、それは自分の意志が許す範囲でやればいいというお話であり、自分を犠牲してまでする必要はないことを、ここではっきり申し上げておきます。ご自身を一番大切になさってください。

クレーム対応の流れ

1.心情理解&不快な気持ちにさせたお詫び

お客様からクレームがあったということは、何らかの不満があったということ。

この段階では、まずお客様のお話をよく聴いて、お客様の要望と相違が無いように、正しくお気持ちを理解しなければいけません。

何に対して怒っているのか、何が不満なのか、これからどうしてほしいのか。相手の目的が分かっていれば、この次の対応もより円滑に行うことが出来ます。

まずはご心配や不快な気持ちにさせてしまったことに対するお詫びをし、詳しいお話をお聴きするための信頼関係を築き上げましょう。

ここでありがちなのが、「謝罪=責任を認める」という考え方。

この時点でのお詫びは、不快な気持ちにさせてしまったことに対するお詫びであり、責任を認めることではありません。

  • 「ご心配をおかけして申し訳ございませんでした」
  • 「不快なお気持ちにさせてしまい、申し訳ございませんでした」

という言葉でお客様に共感を示すためのお詫びです。お客様が不快な気持ちになったというのは事実としてあるわけですから、共感をすることでお客様に落ち着きを取り戻してもらいます。

ここで謝罪をしなければ、「私がこれだけ怒っているのに謝罪もしないなんて非常識だ!」という印象を持たれてしまい、より大きなクレームに発展する可能性が高いからです。

この時点では「私どものミスで…」「誠心誠意対応致します」というような言葉は不要ですが、余計な二次クレームを避けるためにも早い段階での謝罪は必ず行うようにしましょう。

補足

近年発売されている謝罪マニュアル関連の書籍では、謝罪や共感を控えるべきという意見も見受けられます。

些細なことで大きく騒ぎ立て、相手を屈服させることで満足を得るようなクレーマーが増えたため、「自分は正しいんだ」と思わせることはヒートアップに繋がるという主張です。

しかし、そのようなクレーマーの目的は「大きく騒いで何か(割引や相手を屈服させることによる満足感など)を得ること」であり、謝罪や共感があってもなくても相手が引くことはありません。

謝罪や共感をしないということは、良心的なお客様さえもヒートアップさせてしまう恐れがあるので、極めて危険な行為であると感じます。

2.事実確認

お客様の気持ちを理解し、謝罪をしたあとは、お客様からお話を伺います。

従業員のミスであれば、担当の従業員から状況を聞いておくのが一番。「担当からは◯◯と聞いております。失礼ですが、お間違いはないでしょうか?」と質問し、お客様と認識の相違がないことを確認しておきます。

一方で、迅速な対応が求められるクレーム対応において担当の従業員から状況説明を聞けないことは日常茶飯事です。そんな場合は「失礼ながら、担当から説明を受けずに急ぎで参りました。恐縮ですが、詳しくお話を伺えないでしょうか」と正直に言うのがベスト。クッション言葉は忘れずに使いたいですね。

お客様のお話を聴き、どのようなことが起こったのか間違いのないように正確に理解しましょう。

事実確認を突き進め、原因についてある程度推測することが出来れば、次の段階です。

3.解決案の提示

お客様のお困りごとに対して、解決案を提示しましょう。

私の場合、飲食店だったので、料理に髪の毛が入っていたというお申し出は非常に多かったです…。

そういったお申し出には「すぐに新しい商品をお取り替えいたします。」というように、こちら側から今できることを提案するのです。

クレームは「なんとかして欲しい」と思って、お申し出を頂いているので、こちらが何が出来るのか?ということをはっきりさせるという意味ではいちばん重要な場面です。

解決案は具体的に

例えば、一人では判断することのできないお申し出もあるでしょう。

そんなときは「大切なことですので、社内で協議をしてからお返事いたします」というお願いをして、お時間を頂くようにします。

ただし、いつまでに連絡をするのか、具体的にお伝えしておくべきです。

「●時までにお返事いたしますので、少しお時間を頂けないでしょうか」
というように、依頼形でご提案するのがコツです。

4.お詫びと感謝

いよいよ最終局面。

そもそも、お客様の期待に添えなかったことからクレームになっているので、そのお詫びを再度きちんと丁寧に行いましょう。

再度のお詫びをすることで良い印象を持ってもらうことができ、今まで以上の信頼関係が構築できるのです。

最後には感謝の気持ちも忘れてはいけないです。改善するべきところをご指摘してくださったお客様に、「貴重なご意見ありがとうございました」というのも忘れずにお伝えしたいですね。

こちらの記事では、謝罪フレーズをご紹介しています。自分の言葉で話すことが一番ですが、参考程度にこちらの記事もどうぞ。

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