【クレーム】ネットに晒すぞ!と言われたとき、どんな対応をするべきか

飲食店などのクレームで、異物混入があったとき「保健所に言うぞ」と言われることがありますよね。実際に言われたとして、どのような返答をしますか?

会社のマニュアルでは、「私どもにお留する権利はございません。納得いただけず残念ですが、お客様の判断におまかせいたします。」というように返事するよう定められていると思います。

実際、この対応が一番良いのです。後からお金で口止めしていたことが発覚すると、それこそ会社の信頼を揺るがしかねない事態に発展するからです。

しかし、問題なのは「ネットに晒すぞ」と言われた場合です。「晒すぞ」という表現は少し恐喝的なので、アウトかもしれませんが、実際のところ「ネットで注意喚起します」と言われた場合、どのような対応をするのが正解だと思いますか?

実は、ネット拡散に関して詳しい対応方法を掲載している書籍は少ないです。この問題は、近年Twitterを始めとしたSNSが急速に普及したことによって発生するようになったので、前例が少なく、どのような対応を取るのが正解なのか判断するのが極めて難しいからです。

もし、言われるがままTwitterに拡散されたらどうなるでしょう?数千、数万ものリツイートがされ、企業イメージの低下は免れません。しかも、それだけではなく、まとめブログや「ねとらぼ」、「J-CAST NEWS」「BuzzFeed」などのバイラルメディアもこぞって取り上げ、最終的には新聞、テレビでも報道されてしまう恐れがあります。

では、示談で口外禁止条項を結ぶとどうなるでしょう。「保健所」ではなく、あくまで「ネット」に対しての口外禁止なら一見問題なさそうですが…

問題はあります。それは、口外禁止が守られる保証などどこにもないということ。

2017年3月31日、Twitter上でバズったフジパンストアーの異物混入騒動をご存知でしょうか?なんと、チョココロネの中に金型が入っていたそうで、歯が欠けたのだそうです。

[blogcard url=“https://www.j-cast.com/2017/04/03294727.html”]

騒動の詳細についてはこちらをご覧ください。

フジパンストアーはSNSにアップしないよう申し入れていたのですが、被害者の知人を名乗る人物によって、Twitter上にアップされ拡散されてしまいました。

拡散した人物は理由について、「これだけ時間が経っても企業が何もしないからだ」と説明していますが、実際に被害者男性がチョココロネを購入したのは2016年12月5日です。そして拡散されたのは翌年3月31日。約4ヶ月もの期間が空いていたのです。

しかし、4ヶ月間何もしていないのか?というと、そうではないようです。フジパンストアー側は何度も謝罪に訪れたり治療費などの相談をしたそうですが、上手く話が進まなかったとのことです。(両者の言い分は食い違っています。)

そうしているうちに男性は弁護士を立てると言ってきたところ、2017年3月13日には示談の決着が付きそうになった。フジパン側が、口頭で慰謝料などの額を提示したところ、男性から「これでいいですよ」という返事ももらえたという。しかし、今回の件についてはSNSで報告すると言ってきたというのだ。
「私たちとしては、SNSに載せるのは示談の条件とは違うとの認識であり、相手側が弁護士と相談しているということから、当社の顧問弁護士との協議の上での解決にしましょう、と言いました。それから間があり、誰がアップしたのかは分かりませんが、知人の名でああいったツイートが出たのです」
引用:J-CASTニュース

どちらが本当のことを言っているのか、僕には分かりません。ですが、フジパンストアーとしては示談の条件が守られていないと言いたくなる気持ちは分かります。これらの内容から見るに、慰謝料などの額というのには、口止め料も含まれていると予測できるからです。(口止め料かどうか断定はできません。「など」には、治療費、仕事を休んだことによる給料への損害や通院交通費なども含まれます。)

これが大きな問題です。示談交渉などに手間取り時間がかかる。そうすると、相手はそれを理由に拡散する恐れがあります。示談の条件と違うと言っても、お金を支払っていない以上、成立していないと言われる可能性が大きいからです。

相手が示談の前提条件に反したのであれば、フジパンストアーとしては提示額より減額したいと思うのは当然でしょう。しかしどうでしょうか。口止め料が万が一存在したのであれば、問題を隠したような印象を世間に与えかねません。

減額をした場合、再度SNSで発表されてしまう可能性が大きいです。領収書に基づいて支払われるであろう治療費(休業損害・通院交通費などを含めて)を減額するのは極めておかしな話ですから、減額分=口止め料であったと捉えられてもおかしくないのです。

もちろん、企業としては減額できなくはないし、建設的な判断かもしれません。ただ、それなりの代償が発生することは考えていたほうが良いと思います。

僕はこういう前例があるので、多少の悪評は広まれど、最初からお客様の判断に任せておくのが一番だと思っています。

今回ご紹介した事例では、拡散者側に「やりすぎ」といった声も多かったですし、例のペヤング騒動でも拡散者側が非難されています。被害を受けている側なので、非難を受けること自体災難な話ですが、見せしめとも思われる行為に対して悪印象を持つ人も実際多いです。

ですので基本的に企業側は、口止めするのではなく、事後対応するのが建設的なのかもしれません。